マンガ喫茶漫遊堂店長の日記

京都市内(西院・高野)で営業するマンガ喫茶漫遊堂店長のブログです。

蒼天航路


蒼天既死 黄巾当立 歳在甲子 天下大吉

この文章より始まった黄巾の乱は、古くは秦朝末の混乱より発して以降中原諸覇を悉く下し、四百年の長きにわたり天下を統べた漢朝の歴史に幕を引いた。黄巾党と呼ばれた道教的宗教集団の内乱は中華全土に及び、この混乱の中から立ち上がったのがいわゆる三国時代と呼ばれる時代である。

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と、歴史の教科書のような書き方をしてはみましたが、すなわち日本人が昔から慣れ親しんだ「三国志」の世界を漫画化し、これぞ傑作!と私が選ぶもののうちひとつは横山光輝の「三国志」、そしてもうひとつは王欣太の「蒼天航路」となります。もともと中国の戯曲に単を発する「三国志」、その主人公は蜀漢を開く劉備。普通「三国志」を読んだことのある人であるなら、劉備が主人公であってしかるべきと思うでしょう。しかしながら「蒼天航路」の主人公は曹操、劉備の不倶戴天の敵であり、三国を最後に制した魏の王であります。

普通曹操は、頭は切れども悪逆の徒という扱われ方を古今されてきておりまして、それもそう、曹操には数々の虐殺や苛烈な法制の記録がなされているわけです。「蒼天航路」のすばらしさはそんな曹操を、とあるひとつの究極の人間として扱い、それゆえに一見すれば正気とも思えかねる暴挙の数々を果たすのであると、そんなキャラクタ性が位置づけられているところにある、といえましょう。

迫力の絵、一言の重いせりふ、どれもこれもよいところはあるのですが、すべてを挙げるにはこのブログとて一向に要領が足りません。とかく読んでみなければ、この強烈な浪漫はわからないでしょう。

以上、漫遊堂高野店スタッフでした。
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