マンガ喫茶漫遊堂店長の日記

京都市内(西院・高野)で営業するマンガ喫茶漫遊堂店長のブログです。



本日ご紹介するのは
『コーヒーもう一杯』です。


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 山川直人による全五巻の短編集です。
 短編自体に連続性は無く、どこからでも読める形式になっています。

 
 ほっと一休みの一杯、亡き祖父の好きだった一杯、不思議な体験をした後に飲んだ一杯、そんなコーヒーに流れる時間は人によって圧縮も希釈もしますが、総じて流れは緩やかです。
 作品で登場する全てのキャラクターはデフォルメの効いていて、描く線は太く、トーンを使わない画風などは明らかに『今風』の絵ではありません。
 それはまるで一昔前、誰もが「懐かしい」と感じる時代に描かれたようでもあって、そして同時に取り返しのつかない過去、子供の頃に夢見た世界のようにも感じます。

 緩やかであいまいな過去の思い出、子供心で抱いたファンタジー、それらと私たちをつなぐのは一杯のコーヒーです。
 
 たとえば常日頃からコーヒーを飲む人、全く飲まない人、ミルクと砂糖を入れて飲む人もいらっしゃると思います。
 どんな人でもコーヒーの香りで思い出す過去の物語があるのではないでしょうか。

 そんな過ぎ去った思いを集めたような、心温まる作品です。

 興味のある方は是非ご一読ください。


 漫遊堂スタッフでした。
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